◎治療を受ける前に
①空腹や寝不足の方は、施術後気持ち悪くなることがありますが少し休めば落ち着きます。
②鍼の効能として血流が良くなります、施術後のぼせたような感じになることがあります。
③鍼の見た目のデメリットとして内出血がたまにおこります。これはどんなベテランでも深く刺すと内出血するときは内出血します。このあざは1~2週間程度で消えます。
④施術が始まると鍼がいっぱい刺さって動けないので、必要なら水分補給とお手洗いはすませておいてください。
⑤重症の方はたまに鍼により痛みが増す箇所があるかもしれませんが、これは血流不足でさぼっていた神経が動き出して過敏に反応してしまっているだけなので、その箇所に再び鍼をさせば痛みはおさまります。
⑥妊娠されている方の鍼治療はできません。フットケアやドライヘッドのコースをおすすめいたします。
⑦治療後当日はお酒NGです。煙草もなるべくNGです。激しい運動もNGです。お風呂はOKです。
⑧治療は3日以上あけて1週間以内が理想です。集中して治療したほうが早いです。
◎治療後の注意
① 適度に水分摂取して下さい。鍼灸治療は滞った血流を改善して細胞の新生を促すため、定期的な治療を受けることで免疫機能が向上します。治療後の適切な水分摂取によって、血中や組織間に鬱滞していた老廃物や疲労物質などの有害物質(毒素)が腎臓へ流れ、尿として体外へ排出されやすくなります(デトックス効果)。季節に関わらず、なるべく水分は体温に近い温度のものを摂取するのが理想です。
② 激しい運動などは控(ひか)えて下さい。激しい運動は骨格筋(横紋筋)の融解を促すことがあるため、特に治療直後の筋トレは厳禁です。鍼灸治療後、終日は安静にするのが理想です。
③ 治療を受けたあと、一時的に痛みが増したり、怠くなることがあります。これは鍼ごわりと言い、鍼が効いている証拠です。刺鍼部位に残る筋肉痛のようなダルさは2~3日程度で自然に治まりますから、患部は冷やさないようにしてください。良くなっていくにつれ、鍼ごわりは少なくなっていきます。現在の細い鍼では抜いた瞬間に周辺組織の圧力で鍼孔が塞(ふさ)がれますから、治療後に細菌感染する心配はありません。水分補給をしっかりと行い、適度に温めて血流を良くするようにしておくとぬけやすくなります。
④ 好転反応を恐れないで下さい。1回の刺鍼では弛みにくいほど筋肉が硬かった場合、治療後一時的に悪化したかのような症状が出ることがあります。例えば、痛みがひどくなったり、気分が悪くなったり、眠れなくなったりすることがあります。これらの症状は通常数日で治まりますが、例えば治療後3日程度経っても痛みが引かない場合は、痛みが強く出ている時に再び刺鍼すると、中途半端に弛んでいた筋肉が完全に弛み、痛みがピタリと治まることがあります。特に痛みなどが出ない場合は5~7日おきくらいに治療し、反応が出なくなるまで治療を続けるのが理想です。一般的に3回程度の施術で何らかの改善が見られれば、ほとんどのケースで完治します(脳や骨自体に異常がある場合を除く)。
⑤ 大食しないで下さい。大食は激しい運動と同様に、身体に多大な負担をかけます。食べる量や回数が多いと内臓は休むことが出来ず、自律神経が興奮して首や背中が凝(こ)りやすくなってきます。普段から腹八分目を心がけていると、体のこわばりも減ってきて、鍼灸治療の効果も高まります。
⑥ 体を冷やさないで下さい(夏場は温め過ぎ注意)。治療後は滞っていた血流が改善し、自然治癒能力が活発化するので、お風呂や温泉に入る(治療後2~3時間後の入浴が理想)ことで鍼灸治療の効果を促進出来ます。逆に、治療後に冷たい物を飲食することや、身体を冷やすようなことは厳禁です。 ⑦ 治療当日、お酒は控えて下さい。日常的な飲酒が肝臓や腎臓に大きな負担をかけることはよく知られていますが、筋組織そのものを破壊するという事実はあまり知られていません。現在、アルコール(エタノール)は消毒用薬剤としても広く使われていますが、当然ながら体内に入れば常在菌を死滅させ、細胞を破壊すると言われています。主に薬害で起こる横紋筋融解症と同様に、飲酒もミオグロビンの溶出、速筋繊維の部分的壊死を誘発し、筋委縮による慢性疼痛や筋繊維壊死による筋力低下などを促すと言われています。
これらはアルコール筋症(ミオパチー)と呼ばれ、飲酒量が増加するほどに症状が悪化するとも言われています。例えば、飲酒の翌日に感じる体全体のダルさ、運動をしてもいないのに起こる筋肉痛などがその実例です。よって、治療後の飲酒は筋肉の再生を阻害し、治療効果を無効にしてしまいます。また、アルコールは食道や鼻の穴の粘膜を強く刺激するため、消化器の炎症や潰瘍、蓄膿症、花粉症などを悪化させるとも言われています。さらに、骨粗鬆症学会は『骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン(2006年)』において、骨密度が同じであっても飲酒・喫煙習慣がある人は骨折のリスクが約2倍高くなるという調査結果を発表しています。当然ながら、筋肉の委縮は骨折の他、肉離れや腱・靭帯の断裂、関節部(≒関節炎、水がたまる、半月板損傷など)の異常をも誘発しやすくなります。 ⑧ 十分な休息を取って下さい。寝不足や空腹、体調が悪いときに鍼をすると貧血状態になります。気分が悪くなり、冷や汗や吐き気がしますが、鍼を抜いて横になっていれば治ります。また、鍼灸治療後はβエンドルフィンなどの脳内麻薬放出量が増大するため、多幸感や強い眠気を感じることがあります。そして、血流改善によって一時的なめまいや吐き気が出ることがまれにあります。それは脳と体が回復しようとする自然な反応ですから、可能な限り為(な)すがまま、横になったりして休むのがベストです。車やバイクなどで遠方から来院されている方は、最寄りのカフェなどで一休みして、落ち着いてから帰宅されるのが良いでしょう。