美容は顔に鍼を刺すだけではなくボディも大事

美容鍼によって顔色が良くなっても関連症状に対して施術を行わなければ、その効果はすぐに消失されてしまいます。東洋医学では、これを標治(現れている症状に対する処置)しかしていないことが原因です。また、顔色が悪い状態で定着してしまうまでには、ある程度の期間を経ていることが多く、これは普段の生活習慣に原因があります。つまり顔の悩みを本当の意味で改善するには、普段の生活習慣の見直しも含めた体質改善を行うべきなのです。

例えば、顔のたるみを改善してリフトアップしたいお客様が多いのですが、たるみの原因の1つには表情筋の過緊張や筋力低下などの理由が考えられます。
しかし、頭部と顔面部の範囲を局所と呼び、首から下までの部位はボディと表現すると、ボディ部位には顔への影響を及ぼす様々な要因が存在します。

普段の生活習慣や疲労により姿勢が悪化し、 いわゆる猫背となり、首、肩、背中、上下肢などに整形外科疾患の症状が現れ、背中は固くなり、それに伴い内臓は神経圧迫により機能が低下、身体本来の機能を発揮しにくくなります。

あとで、現代風に書きますが、東洋医学では、内臓の機能が低下すると、脾胃で水穀から気、血、水(津液)を取り出すことができず、 小腸の受盛がうまく いかなくなります。 脾の運化や昇清がうまくいかなければ、肺の宣発や粛降にも悪影響を及ぼし、気を全身に届けること ができなくなり、ますます気虚となります。 次いで、腎に納気できない状態が長期間に続けば、 気陥となっていきます。

このことを現代医学風に書くと、 姿勢の不良により、背中が固くなる、そうすると臓腑の機能が低下するや自律神経機能が失調しやすくなります。 そして、胃では胃酸や胃液の分泌が不十分となり、蠕動しにくく攪拌の効率も悪くなります。 次いで、消化が不十分な飲食物は腸管で吸収しにくくなり、内臓全体へ負担がかかります。そうすると、栄養を吸収できないまま排泄せざるを得なくなり、便秘や下痢をして排泄するなど、本来の消化吸収排泄という機能を果たしにくくなります。

こういった、ボディの不調は顔にも現れます。

内臓の不調があった場合では、 背部腰部の筋肉の過緊張(反応点)に施術することで、体性内臓自律神経反射により、副交感神経優位となれば自ずと顔色に反映されます。 これは内臓の腸管壁の一部と顔面部の一部は発生学的に由来が同じであることに起因しています。 顔面部のみへの刺鍼を推奨していないのは内臓を中心として考えるべき事もあるからです。

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